あいみょん:現代J-POPを代表するシンガーソングライターの軌跡
プロフィール
あいみょん(本名:非公開)は、1995年3月6日生まれ、兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター、作詞家、作曲家である。2025年現在、30歳を迎え、J-POPシーンを代表するアーティストとして確固たる地位を築いている。
基本情報
- 生年月日:1995年3月6日
- 出身地:兵庫県西宮市
- ジャンル:J-POP
- 活動期間:2014年~
- 所属事務所:エンズエンターテイメント
- レーベル:unBORDE / ワーナーミュージック・ジャパン
- 担当楽器:ボーカル、ギター
- 著名使用楽器:Gibson J-45、Martin 000-28
来歴
音楽との出会い~デビュー前
あいみょんの音楽との出会いは中学2年生の時に遡る。この時期に作詞を始め、父親からエレクトリック・ギターを渡されるが、欲しかったアコースティック・ギターではなかったため、1ヶ月も経たずにやめてしまった。
転機は中学3年生の時、学校に来ていたALT(外国語指導助手)の英語教師が帰国する際にアコースティック・ギターを残していったことだった。これがきっかけで再びギターを弾き始め、尾崎豊やスピッツなどの曲をカバーしながら独学で技術を磨いていった。
高校1年生の頃から本格的に曲作りを開始。在学中に同い年の地元の友人がYouTubeにアップしていた音楽番組に出演し、初めて人前で曲を披露する機会を得た。また、友人が応募したオーディションで決勝まで進むなど、早くから才能の片鱗を見せていた。
学校の先生からは「そんなことより勉強しろ」と言われていたというエピソードもあり、勉強をしていなかったため学校のテストの日を休んだこともある。この時期に「自分って何にも出来ひんねんや、やっぱり」と思っていたという。
高校2年の冬に中退した後、定時制の学校に転入して卒業。高校卒業後はフリーターとしてアルバイトをしながら、梅田や大阪城ホール周辺で路上ライブを続けていた。
インディーズ時代
2014年、あいみょんの路上ライブの映像を見た所属事務所の人間がTwitter経由で連絡を取ってきたことがきっかけで、本格的な音楽活動が始まった。同年、所属事務所の社長によりワーナーミュージック傘下のレーベルunBORDEの代表・鈴木竜馬に紹介される。
事務所サイドの「下手に急いでデビューさせるよりは長く愛されるアーティストに育てたい」という意向もあり、最初のリリースはテストマーケティングとしてインディーズレーベルからと決まった。メジャーデビュー前にはunBORDEによる作詞作曲やライブパフォーマンスを含めたトレーニングが行われた。
プロデューサーの星野純一から「事務所に正式に入るまでに50曲作ってみて」と言われ、デビュー時点では親子の絆や性的真理など死生観に因んだ曲から恋愛模様までを歌った130曲ほどのデモ音源を持っていたという。
2015年2月4日、ジャニーズWESTの3rdシングル『ズンドコ パラダイス』に収録の「Time goes by」で作詞家デビューを果たす。
3月4日、タワーレコード限定シングル『貴方解剖純愛歌 ~死ね~』でインディーズデビュー。その過激な歌詞が話題となり、テレビ・ラジオ各局では放送自粛となるも、オリコンインディーズウィークリーチャートで10位にランクインした。
5月20日、初の全国流通盤となる1stミニアルバム『tamago』をインディーズでリリース。2016年2月16日には、スペースシャワーTVが近い将来にブレイクが期待されるニューカマーを紹介する企画イベント『SPACE SHOWER NEW FORCE』の出演10組に選出された。
メジャーデビューと飛躍
2016年11月30日、シングル『生きていたんだよな』でunBORDEよりメジャーデビュー。このデビューシングルにはスタッフ満場一致で女子高生の自殺をテーマにしたこの曲が選ばれた。表題曲はテレビ東京のドラマ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」の主題歌に使用され、大きな注目を集めた。
2017年は飛躍の年となった。2月4日公開の映画『恋愛奇譚集』に初の映画主題歌となる「漂白」を書き下ろし、8月2日には3rdシングル『君はロックを聴かない』を発売。この曲は全国AM/FMラジオ計42局で8月度のヘヴィー・ローテーション/パワープレイを獲得し、獲得数の記録を4年3か月ぶりに更新した。
9月13日、1stフルアルバム『青春のエキサイトメント』を発売。このアルバムは2年以上オリコンチャートに入り続けるロングセールスを記録した。
2018年はさらに大きな成功を収めた。6月22日、初の海外公演となる「AIMYON TOUR 2018 -TELEPHONE LOBSTER-ADDITIONAL SHOW “TAIWAN”」を台湾・Legacy Taipeiにて開催。約1000人の会場は超満員となった。
8月8日、5thシングル『マリーゴールド』をリリース。この曲はストリーミングチャートで20週連続1位を記録する大ヒットとなった。12月31日には第69回NHK紅白歌合戦に初出場を果たし、「マリーゴールド」を歌唱した。
2019年には映画やアニメの主題歌を多数手がけた。1月25日公開の劇場長編アニメーション『あした世界が終わるとしても』に主題歌「あした世界が終わるとしても」と挿入歌「ら、のはなし」を書き下ろし、4月17日には映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』主題歌「ハルノヒ」を7thシングルとして発売。
同年10月からは自身最大規模となるホール・アリーナツアー「AIMYON TOUR 2019 -SIXTH SENSE STORY-」を開催。2020年7月24日(23日深夜)にはニッポン放送にて特別番組『あいみょんのオールナイトニッポン』を担当するなど、活動の幅を広げた。
2022年11月15日、2023年度上半期の連続テレビ小説『らんまん』の主題歌を担当することが発表された。連続テレビ小説の主題歌を平成生まれのソロ歌手が担当するのは初の事例となった。
音楽性と作風
あいみょんの音楽はJ-POPに分類されるが、その作風は多岐にわたる。デビュー初期から死生観に因んだ重厚なテーマから軽やかな恋愛模様まで幅広い題材を扱ってきた。
歌詞の特徴は、日常の些細な出来事や感情を鋭く切り取り、時に過激な表現も交えながら普遍的なテーマに昇華させる点にある。『貴方解剖純愛歌 ~死ね~』のような衝撃的なタイトルからもわかるように、常識やタブーに縛られない自由な表現を追求している。
音楽的には、アコースティックギターを基調としたシンプルなアレンジから、ロック調の楽曲まで幅広い。影響を受けたアーティストとして尾崎豊やスピッツの名前が挙がっており、これらのアーティストのカバーから音楽を始めた経緯もある。
人物像
あいみょんというアーティスト名は、もともとはアルバム『tamago』に収録されている「○○ちゃん」の楽曲のモデルになった人物の名前から取られた。
血液型はO型。公式ファンクラブは「AIMYON NET」で、公式サイトやSNSを通じてファンとの交流を図っている。
ギターに関しては、Gibson J-45やMartin 000-28などの高級アコースティックギターを愛用しており、ライブやレコーディングで使用している。
YouTubeチャンネルでは220万人の登録者を抱え(2025年3月14日時点)、総再生回数は23億回を超えるなど、デジタル世代からの支持も厚い。
代表的な楽曲とアルバム
シングル
- 『生きていたんだよな』(2016年) – メジャーデビューシングル。女子高生の自殺をテーマにした重厚な楽曲。
- 『君はロックを聴かない』(2017年) – 全国42局でヘビーローテーションを獲得したヒット曲。
- 『マリーゴールド』(2018年) – ストリーミング20週連続1位を記録した大ヒット曲。
- 『ハルノヒ』(2019年) – 映画『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン』主題歌。
アルバム
- 『青春のエキサイトメント』(2017年) – 1stフルアルバム。2年以上チャートインするロングセラーに。
- 『瞬間的シックスセンス』(2019年) – 2ndフルアルバム。ホール・アリーナツアーと連動した作品。
- 『おいしいパスタがあると聞いて』(2021年) – 3rdフルアルバム。よりポップなサウンドに挑戦。
受賞歴と記録
- 2018年:第69回NHK紅白歌合戦初出場
- 『マリーゴールド』がストリーミングチャート20週連続1位
- 『君はロックを聴かない』が全国AM/FMラジオ42局でヘビーローテーション獲得(4年3か月ぶりの記録更新)
- YouTubeチャンネル登録者220万人、総再生回数23億回以上(2025年3月時点)
最新の活動
2025年現在、あいみょんは日本を代表するシンガーソングライターとして、精力的な活動を続けている。2023年度上半期の連続テレビ小説『らんまん』の主題歌を担当したことを皮切りに、さらなる活躍が期待されている。
また、2024年には新たなアルバムのリリースや大規模なツアーの開催が報じられており、今後もその音楽的な進化と成長から目が離せない存在となっている。
まとめ
あいみょんは、路上ライブからスタートし、独自の世界観と鋭い社会観察眼でJ-POPシーンに新風を吹き込んだアーティストである。過激な表現も厭わない正直な歌詞と、キャッチーなメロディーの融合が特徴で、若者から絶大な支持を得ている。
デビューから10年近くが経過した今も、常に新たな挑戦を続け、日本のポップミュージックシーンをリードする存在として活躍中である。今後のさらなる活躍と音楽的な進化が楽しみなアーティストの一人と言えるだろう。
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