COP29がアゼルバイジャンで開幕、トランプ氏再選や産油国での開催に懸念
気候変動に関する国連の気候変動会議、「国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)」が、議長国を務めるアゼルバイジャンの首都バクーで11日に開幕した。
今年の会議では、地球温暖化ガスの削減と気候変動対策を支援するため、より多くの資金を低所得国に提供する方法について合意することを目標としている。
欧州の気象当局はこのほど、2024年が統計開始以来で最も気温の高い年となることが「ほぼ確実」となったとの見通しを発表した。今年の世界平均気温は、人類が化石燃料を大量に燃やし始める前の「工業化以前」と比べて摂氏1.5度以上高くなる見込み。
今年は猛烈な熱波や多くの犠牲者を出した嵐が、世界各地を襲った。
国連環境計画(UNEP)による最新の排出ギャップ報告書も、「現行の政策」のままでは世界の平均気温は今世紀中に最大3.1度上昇する可能性があると示唆している。
しかし、気候変動は「でまかせ」だと発言してきたドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことで、今後の世界的な対策が阻害されると多くの専門家は懸念している。
また、議長国アゼルバイジャンにも批判の目が向けられている。アゼルバイジャンは国内の人権状況が批判されがちなほか、COP29を化石燃料の取引に利用しているとの非難も受けている。
石油産出国でのCOP開催は、昨年のアラブ首長国連邦(UAE)ドバイに続き2年連続となる。COP28では、各国は化石燃料からの脱却に合意したが、どのくらいの速さで脱却するのかについては言及しなかった。
今年のCOPでは、資金が重要な課題となっている。
2015年のパリ協定では200カ国近くが、気候変動による最悪の影響を回避するため、長期的な気温上昇を1.5度未満に抑えるよう努力すると誓った。そのためには、各国が温暖化ガス削減の取り組みを強化する必要がある。
合意の一環として、各国は2025年までに発展途上国向けの新たな資金目標を策定することを約束した。しかし、これまでの実績が芳しくないことから、新たな資金調達目標について合意に達することが、富裕国と貧困国間の信頼を構築する上で重要なステップと見なされている。
しかし、トランプ氏の当選により、アメリカはパリ協定と資金援助から離脱する可能性が高い。
一方、エネルギー・気候変動シンクタンク「パワー・シフト・アフリカ」のディレクターを務めるモハメド・アドウ氏は、「世界が直面する最大の地政学的課題は気候変動だ」、「気候変動に対応しなければ、私たちはこの惑星を失う」と訴えた。
ジャスティン・ロウラット気候変動担当編集長が報告する。
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